日常生活でも耳にすることが多い言葉やことわざには、建築用語が語源になっているものもあります。
日常生活でも使うことがある言葉の中で建築用語が由来になっている言葉の例として、『大黒柱』や『束の間』、『叩き上げ』などがあります。
実際の『大黒柱』は、家の中央にある太い柱です。住宅を支えていることが転じて、一家を支える人物を表現した言葉です。
『束の間』はわずか、ほんの少しという意味で使用されることが多い言葉ですが、『束』とは短い柱のことです。柱の短さを時間の短さに例えて表されるようになった言葉です。
苦労をして一人前になった人のことを表現する『叩き上げ』は、土間を作るときの作業が由来となっています。土間は、土を混ぜて叩き固めて仕上げます。いい加減な叩き方では良い土間ができないと言われていました。この様子が転じ、『叩き上げ』は下積みで苦労して一人前になった人を指す言葉となりました。
ことわざにも、建築にかかわる表現が使われているものがあります。
例として『子はかすがい』ということわざがあります。子どもの存在が夫婦の縁を保ってくれるという意味ですが、『かすがい』とは、材木同士をつなぎ止めるための金物のことです。『かすがい』が二つの材木をつなぐ様子を夫婦にたとえたのが、このことわざです。
もう一つ、『糠に釘』も手応えがない、効き目がないという意味を持つことわざですが、これは、柔らかい糠に釘を打ったときの何も手応えがない様子を、人の様子に当てはめて使われる表現です。
マイホームを建てるときは、建築用語や記号、表記を覚えていると便利です。今回紹介した情報を頭に入れておけば、マイホーム建築にも役立つでしょう。