私の尊敬する建築家の一人、隈研吾氏の素材に特化した展覧会【くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質】に行って参りました。

 

タイトルの通り、竹や木、石など素材に着目し それぞれ章立てられており、そのため展示も全体の構造よりもファサードなど外観のテクスチャが多く見られました。

 

節の位置まで計算された竹垣、直線から生まれる柔らか線、その光と影や水面に映る姿、、、

隈氏が挑んできた建築の素材が主役です。

 

茶室の提案がいくつかありましたが、素材のチョイスに驚かされました!

 

1つ目は ‘樹脂’ を使用した「織部の茶室」。

織部の器をイメージさせるなめらかではないフォルムに惹きつけられます。

もう1つは ‘塩化ビニール製の風船’ にヘリウムガスを注入し仕上げている可動式の茶室です。

 建築家でありながらマテリアル発明家としての潔さというか、社会に力強くコミットする貪欲さとキャッチーさ、隈研吾氏の飽くなき探究心に脱帽です!

 

それぞれの材質を生かすためにどう手を加えれば良いのか常に研究し、他の建築家が真似し得ない作品を作るところが隈研吾氏の建築の醍醐味であり、その工夫を学べる素晴らしい展示内容で、なんとか私の日々のアイデアの引き出しに取り込みたいと強く思いました!