古い建物を見学すると、最近の建物ではあまり見かけなくなったものを見つけることが出来ます。

写真は、その一つで釘隠し(くぎかくし)という金物です。

夏休みに旅行した鹿児島県にある ‘仙巌園’ という 薩摩藩のお殿様 島津家の別邸で見つけました!


本来は、和室の長押(なげし)などに打ち付けられた太い釘を隠すために用いられていましたが、後に装飾として取り付けられるようになったものです。


部屋の用途、格式などによってデザインが様々ですが、‘仙巌園’には鹿児島ならではの変わり種の釘隠しがあります。


例えばこれは 【コウモリ】のモチーフです。

鹿児島ではコウモリを福を呼ぶ神の使いとして大切にしていたため、縁起の良い象徴として使用しています。


またこちらは鹿児島の特産野菜【桜島大根】です!

野菜の釘隠しは珍しい存在で、しかも素材は当地特産の高級陶器 ‘白薩摩’ です。


豊臣秀吉の朝鮮出兵時に藩主・島津義弘が朝鮮から陶工を招致し薩摩での陶器作りを始め、

高級品の白薩摩は藩主専用の焼き物として珍重されました。


日本人は昔から、動植物などの特徴を捉え、デフォルメするデザイン力にたけていた民族だったことが良くわかります。


皆さんも、古い建物を見る機会があれば、ぜひ探して見てくださいね!