緊急事態宣言で長らく閉館していた東京都庭園美術館ですが、

6/1〜6/13の束の間、完全予約制で入館人数を最小限に縛り遂に公開されましたので、

自分の感性を磨くべく行って参りました!



東京都庭園美術館は朝香宮ご夫妻の旧邸宅を利用し、アール・デコ様式の建築と緑豊かな庭園が美しいことで知られています。



アール・デコとは1910年から30年ごろにかけて流行した装飾様式で、

大量生産と工業化の時代に対応した、幾何学図形や直線を多用して作られたデザインスタイルです。



建築と内部のインテリアは当時の技術の粋を尽くして作られ、

現存するアール・デコ様式の個人住宅の中でも質が高く、

壁飾りから家具、照明器具にいたるまで、アール・デコのそのモダンな優美さは息をのむほどです。



今回の展示は、修復を終えて初公開となるオリジナルの家具や調度を室内に配し、

建物公開展では恒例となる邸宅空間の再現展示形式でした。



玄関にはガラス工芸家のルネ・ラリックが作り上げたと言われているガラスの扉があります。

美術館の目玉の一つです。



室内を飾るシャンデリアもラリックの作品であり、エッチング・ガラス扉はマックス・アングラン。

内装はフランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンの作品です。



ラパンの屋内噴水器(香水塔)は、朝香宮家の人々が噴水内に香水を入れて香りを楽しんだことが名前の由来と言われています。



1階の大食堂は、橙色の大理石、銀色の壁面、光沢を持つ扉など華やぎのある豊かな色彩で構成されています。



当時の職人の細部に宿る熱意とこだわり、丹精に仕上げた建築意匠が随所に残されており、その想いは今日にも伝わります。



建物公開展は年に一度の僅かな期間だけとなりますし、情勢的に今後も閉館の期間が多いとは思いますが、

機会がありましたら是非、その美しさと優雅な時間を過ごしに行ってみてはいかがでしょうか。