白の家

しっかり悩んで、すごく考える。

 

住む人によって、感じ方も暮らし方も違う。建てる場所も一つとして同じものはない。

 

とある本に書いてあったが、「間取りは誰でも書ける」のだそう。

そこに生活を落とし込めるかどうか、がポイントになるそうだ。

 

最初のお打合せの時に、ご要望だけでなく家族構成・生活のしかたや持ち物などもお聞きして、

このご家族だから、この土地だから、の間取りをご提案するのが我々のお仕事。

 

今回ご紹介のお家は、真南に住宅が建つのが分かっていた分譲地。いかに明るさを確保するかがポイントであった。

以下、『明るさ』に集中してご案内。

 

「南側=庭、空ける」という教科書通りの間取りにしてしまうと、闇の家になるため、唯一抜けの空間が確保できる(南)東から明るさを入れることにした。(各画像は補正済み)

正面が東側。右が南側(サッシはあるが、シャッターを閉めた状態)。

階段は必然的に吹抜けになる。明るさを取り入れるために、家の中で“一番いいところ”に配置。

どこからでも視線の先が明るくなるため、奥行きがあるように見え、雰囲気も良い。

階段からのキッチン。内装がほぼ白いため、より明るさが増す。

キッチン前のグレイッシュな壁の黒いところに壁掛けTVを設置。階段に腰かけて、そこからもTVを観ることができる。

階段が「通路」だけでなく、「吹抜」、「イス替わり」、と3役をこなす。

他の空間にも明るさを。

窓を付けるスペースは無かった玄関。

玄関ドア自体を「袖付」にして窓代わりに。縦長のガラスは明るさを取り入れやすい。

北側の浴室。北側のサッシ。

隣家がやや離れているため、北側からも優しい明るさが入ってくる。

 

今回は、明るさをどうとるか中心のご紹介ではあったが、

間取りを作る際は、使い勝手に影響する動線、構造、法令、外観デザインなど、

様々な要素を踏まえながらの検討になる。

 

よりよい家をつくるには、住む人の目線になって考えることができ、多くの引出しを持ち続けるパートナーと巡り合えるかが、ポイントになりそうだ。