唐突ですが、木造建築と言えばその主流は戸建住宅やアパートなど、比較的小規模で低層の建物だと思われている方が多いのではないでしょうか。
私自身も数年前まではそのような認識でおり、中高層ビルには鉄筋やコンクリートという常識でおりました。
しかし、次世代の建築業界のトレンドとしてここ数年の間に中高層木造建築物が立ち始めていることはご存知でしたでしょうか?
もともと日本は森林資源が豊富で国土の60パーセント以上が森林で、その森林を守るためにも適度な伐採が必要不可欠なのですが、これを活用して建築の構造部に木材を使うことが、脱炭素・SDGs・CO2削減にもつながっていくため、木材(木造建築)が見直されています。
特に建築物では、その建設時ならびに解体処分時に二酸化炭素を多く排出するため、その排出量が少ない木材の利用は一般住宅だけでなく中高層ビルに広がっていくことは当然なのかもしれません。
中高層ビルを木造建築にする場合の最大の壁はその耐火性能です。
これまで木材は、鉄筋やコンクリートの建築物と比べての耐震性や耐火性が劣り、大型建築物にはふさわしくないと建築基準法で厳しく規制されておりましたが、技術が進み、震度7に耐え、さらに長時間の耐火も証明された優れた材料も開発されています。
まだまだコストがかかるためハードルは高く課題も多いと思いますが、数十年後は都市部の景色が変わっているかもしれませんね。
▲ 写真:鉄骨鉄筋コンクリート造