フィッシャー邸

先日、リビング・モダニティ-住まいの実験-という展示に行ってきました。

1920年~1970年代の、住まいを実験として捉えた建築の実物模型などもある展示で、

実際に、空間を目と体で感じられる、見ごたえたっぷりの内容でした。

中でも私がとても気に入ったのは、

ルイス・カーンのフィッシャー邸の展示でした。

森の中にたたずむフィッシャー邸は、建築家ルイス・カーンが設計した、

静けさとあたたかさに満ちた住まい。

ふたつの木の箱を組み合わせたような形の家です。

なにより印象的だったのが、リビングの大きな窓辺です。

暖炉のそばにある、大きな窓と造作ベンチを組み合わせた、高さを感じるスペース。

実寸大の展示もあり、圧巻のスケール感でした。

森に向かって開いたその窓からは、やわらかな自然光が差し込み、

時間とともに壁や床に美しい影を落とす設計となっていました。

ベンチにただ座って外を眺めるだけでも、心が整っていくような空間でした。

木、光、静けさ、そして自然とのつながり。

フィッシャー邸は、そんな豊かさをそっと教えてくれました。