長野・原村のカラマツ林の中に建つ八ヶ岳美術館へ行ってきました。
建築家・村野藤吾が手がけた小さな美術館です。
外観の特徴は、複数の半円形ドームを連ねた屋根。
山並みのようなリズムが生まれ、自然環境とやわらかく呼応しています。
↓SANAAに在籍されていた、石田雄琉さんにより作成された
よく再現されている建築模型が展示されていました。

内部に入ると印象が一変します。
ドーム天井を覆うレースのような布が光を柔らかく散らし、
展示空間に静けさとぬくもりを与えています。

コンクリートの力強さと布の繊細さが同時に存在し、対比が心地よい場所です。
アプローチも丁寧で、林の小道を進みながら徐々に建物が姿を現す構成は、小さな演出として効いています。

全体として、自然の中に溶け込みつつも独自の存在感を持つ、美術館自体がひとつの作品のような建築でした。
長野県に行かれた際は、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。