隈研吾氏の原点とも言われる場所、高知県梼原町。
山あいの町の静かな空気の中に、建物はありました。

この図書館は、梼原町のスギやヒノキを使って建てられているそうです。
外観は木のルーバーが幾重にも重なり、まるで森と一体化しているよう。
近づいてみると、建物というより「風景の一部」のような自然な佇まいに目を奪われます。
そして中に入った瞬間、思わず見上げてしまいました。

天井一面に広がる木組みの構造。梁が複雑に交差していて、木の枝が絡み合う森の中にいるような感覚です。光の入り方も柔らかくて、時間がゆっくり流れているようでした。
本が並ぶ空間なのに、まるで建物そのものが一冊の作品みたい。「ここにずっと居たい」と思える図書館です。
さらに印象的だったのが、土足厳禁ということ。木の床の温もりをダイレクトに感じながら歩く感覚は、他の図書館では味わえない贅沢な体験でした。
また館内にはカフェやボルダリング施設も併設されており、「図書館=静かに本を読む場所」という固定観念をいい意味で裏切ってくれます。ここが町の温かな交流拠点になっていることが伝わってきました。
隈氏が「自分の建築の原点」と語ある梼原。この町で育まれた木造建築の精神が、国立競技場などへ繋がっていくのだと思うと、より一層感慨深いものがあります。
町内には図書館以外にも、ホテル、まちの駅、庁舎、介護施設や隈氏の小さなギャラリーまで、隈氏の手がけた建築が点在しています。
高知市内からは少し距離がありますが、木の香りに包まれ、心ゆくまで建築の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。気になる方はぜひ。