建築の専門知識の吸収も欠かさない。
全部知っている現場監督を目指して。
2016年にマッケンジーハウス入社後は現場監督として施工管理の責任者を担当。一級建築士。
Interview
設計から現場監督へキャリアチェンジ。
現場の職人の信頼を勝ち取るのが最初の壁だった。
私は父親が大工だったのもあり、もともと漠然と設計の仕事をしたいと思っていました。
社会人になってある設計事務所に就職しましたが、そこでまず現場を覚えろというので現場監督業務に挑戦したのが今の仕事につながっています。
当時は設計と現場監督業務を両方兼務していたので大変でしたが、マッケンジーハウスの現場監督として働く今、設計の視点と現場監督の視点両方を養うことができた当時の経験はすごく生きていると感じています。
現場監督一本で自信を持ってやっていけるようになるまで3年くらいはかかりました。
自分もそうでしたが、新人にとって最初に乗り越えなくてはいけない壁が現場の職人とのコミュニケーションだと思います。
やはり業界経験も長い職人なので気難しい方たちもいます。
そういう人たちから最終的に信頼されてリーダーシップを発揮しなければいけない。
例えば大きな声を出して話す癖をつけるようにするのも重要ですが、そういった職人とコミュニケーションを取るための振る舞いが身につくまでに半年程度かかりました。
Important
Interview
現場業務と建築基準法や技術の勉強を並行して
3年かけて一人前に。
現場監督の役割はお客様の希望にあった安心して住める家を完成させることです。
だから、専門知識を身につけることは絶対必要で、職人とコミュニケーションが取れるようになってからさらに半年程度は建築基準法や施工例などをみっちり勉強しました。
今思い返すと現場監督2年目くらいでようやく形になり、そこから一人前といえるまでにさらに1年、トータル3年というイメージです。
現場でやってみたら設計図に書いてあるように建てられないということはよくあります。
だから、知識がない現場監督は役割を果たせないどころか、会社にもお客様にも迷惑をかけてしまいます。
だから今でも、最新の法律や技術の勉強は欠かせません。
Interview
営業、設計、現場、そしてお客様。
誰が欠けても家づくりは成り立たない。
家を作るのはチームでやる仕事です。
営業、設計、現場、そしてお客様、これらが一丸となって完成に向かって進んでいくという意識が大切だと思います。
ありがちなのが、このチームの中でいつの間にかお客様が無視されているようなパターン。
これだとお客様の満足度も下がりますし、良いものができない。
だから、私はできるだけ丁寧にコミュニケーションをとって説明をしています。
現場で写真を撮ってLINEで状況を送ってあげたり、建築中に今こういう状態なのでもしよかったら見に来ませんかと連絡してみたり。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を建てているお客さまだと機密性や断熱性を気にされますし、我々としても安心して住める構造の建物であることを納得していただきたい。
詳しく説明できるのは現場監督という立場ならではだと思います。
Interview
若手に伝えるのは
「絶対に隠すな、わからないことがあったらすぐ聞け」
わからないことはわからないといえる人、嘘をつかない人であることが現場監督の重要な資質だと思います。
例え故意でなくてもわからないことをそのまま流してしまうことが、致命的なトラブルにつながることがあります。
例えば新人が現場に行って、現場の職人さんから「これでいいよな」とちょっと圧が強い感じで言われるとか。
それで、よくわからないままにOKを出してしまった結果、建築基準法等の法律違反の建築物になり、会社が罰則を受ける、お客さまにも迷惑をかけるということが起こります。
何かを隠蔽しようとか不正をしようとか思っているわけではなく、わかっていないのが一番怖い。
だから僕も若手には「絶対に隠すな、わからないことがあったらすぐ聞け」ということはしっかり伝えるようにしています。
「全部知っている現場監督」になりたい。
職人とのコミュニケーションで苦労することも最初はありましたが、今では個性の強いみんなをまとめた上で、現場のみんなで図面を見ながら「ああしよう、こうしよう」と考えるのが面白い。
それぞれ専門知識や経験がとても豊富な職人の意見を結集して、設計が作った図面からさらに良い家になるように発展させていくのには現場監督としてのやりがいを感じます。
私が設計をやっていた頃はチームというより個人プレーだったので、みんなで何かを作り上げる現場監督の方が私の性格にはあっていると思います。
今後の目標としては「全部知っている現場監督」になること。
最新の建築技術、住宅に関わる補助金、法改正、太陽光をはじめとした自然エネルギーなど、どんどん新しいものが出てくるのでゴールはありません。
ただ、これをしっかり抑えておくことでお客さまにもしっかり説明できますし、現場で間違いない判断をできることが増えます。
あとはもちろん現場の美観を保つ、間違いない施工管理をするというのは当たり前ですが、当たり前の水準を上げたいなと。
「向川さんで良かった、100点満点だな」という人は、今はまだそれほど多いと思っていません。
できれば100点満点をたくさん出せる木造住宅の現場監督になりたいですね。