「現場に入る前の図面の段階で八割仕事は終わる」と語る理由とは
2013年にマッケンジーハウス入社後は戸建て施工管理を担当。
Interview
大手の現場監督として経験を積みマッケンジーへ
役割が明確なのが現場監督という仕事の良いところ。
若い頃、親戚の配管屋さんで手伝いをやったのが今の仕事につくきっかけです。
そこで初めて外注の監督をやって、その後は大林組や清水建設といった大手の下請けの設備屋でやはり現場監督をしていました。
29歳くらいからはもうずっと現場監督一筋。
正直、現場監督になりたいと思ったことはなくて、流れに身を任せていたらこの職業についていたというのが正直なところです。
現場監督という仕事のゴールは、図面通りに建物を建てること。
役割が明確なのがこの仕事の良いところだと思います。
他の仕事だとやることの選択肢がたくさん出てくるのかもしれませんが、現場監督は明確な目標に対して取り組めるのが自分の性格に合っているのかなと。
A Site Supervisor
Interview
図面を読み込み、現場でのイレギュラーを潰す。
RC造の経験を木造建築の現場でも活かしています。
私が仕事で一番力を入れているのが図面を読み込むことです。
現場でのイレギュラーを極力起こさないように、設計士が作ってくれた図面のチェック、木材のプレカットチェックを、細かく行います。
図面が間違いなければ現場はその通り建てれば良くて、イレギュラー発生する余地がないじゃないですか。
だから、私の案件を担当する設計士さんはやりづらいと思いますけど(笑)、私はとにかく図面を細かく見ますね。
私の場合は、図面のチェックが終われば、現場に入る前の段階で八割仕事は終わっています。
現場監督には本当に色々なタイプの人がいて、そこまで図面を読み込むより、問題が起こったら現場で臨機応変に対処するという方も多いと思うんですよね。
特に木造戸建だとそういう方が多いかもしれないんですが、私は元々RC造の建物をやることが多かったので、建物の性質上、そう簡単に現場で変更できないんです。
だから、図面を細かく見るようになり、その時の癖が木造もやるようになった今でも残っているのかなと。
CADで自分で図面描いたりもしていたので、慣れているというのもあると思います。
あと、私は現場で臨機応変に対応するのが正直あまり得意ではないので。
現場でどうすんのこれって詰められても、「いや、わかんない、無理です」となってうまく対応できる自信がない。
マンションのような大規模な建物なんかだと関係者が非常に多いので、それがいきなりわーっと来られたらとても無理。
だから、私は図面の段階でイレギュラーを全部潰すように心がけています。
Interview
コミュニケーションをする上でも図面は重要。
全ては図面に始まり図面で終わる。
現場での大工さんとのコミュニケーションでは、わからないことはとにかく聞くということを大切にしています。
教えてもらうことをきっかけにして、段々と普通のコミュニケーションも取りやすくなるということがあると思います。
あとはやっぱり、大工さんとのコミュニケーションにおいても、図面や事前準備はすごく大切ですね。
いい加減な図面を大工さんが見て、「これどうなってんだ」と思われてしまったら、お互いに感じが悪くなるので仕事がやりづらくなります。
また、資材のプレカットでも正確に全部やっておけば、大工さんがいちいち寸法取ったり切り出したりという手間がない。
もちろんちょっとは確認してもらうんですけど、準備をこちらがやっておくことで、大工さんの労力を軽減できますし、工期も短縮できる。
大工さんは気持ちよく仕事ができて、品質も上がるわけです。
同じことはお客様相手にも言えると思います。
例えばちょっとクレームみたいなことを言われても、図面がしっかりしていれば「こういう図面なんですよ」と反論できる。
その上で、変更という話であればお金をいただいて対応すれば良い。
図面がしっかりしていれば、大工さんであってもお客様であっても、主導権を握られることなく、現場監督のゴールである「図面通りに建物を建てる」を全うできます。
やはり全ては図面に始まり図面で終わるんです。
Interview
予定通りの工期におさめるのは難しいが
うまくいくと気持ち良い。
予定通りの工期でバシッとおさまったときは気持ち良いですね。
天候に左右されて思い通りに進まないこともあるので、ある程度余裕を持った工期に設定しています。
あと、やっぱり事前に図面をしっかりしておくこと、シミュレーションをしておくこと、不確定な部分を残しておかないことが大切だと思います。
現場でイレギュラーが起きて、工事の残し箇所があるとズルズル延びてしまいますし、資材の発注直しも工期を圧迫します。
そういうイレギュラーに対して臨機応変に対応できる解決能力が高い人、判断が上手な人が良い現場監督なのかもしれないんですが、なかなか難しいですよね。
私は正直そこは自信がないので(笑)、事前準備をしっかりして、そもそもイレギュラーが起きないように心がけています。
これからも図面にこだわり続ける。
手で書き起こせないということは理解できていないということなので、わからないものを監督なんてできないじゃないですか。
わからないまま何となく現場に入るのは嫌なんで、そこは徹底的に可視化します。
そこまでやっても現場でバタバタすることがあるので、何にもやらずに現場に行くと絶対パンクしてしまう。
年間25棟くらい見ているので、同じ現場にずっといられないですし、イレギュラーをできるだけ起こさず効率的に仕事をするために、図面を含めて事前準備はこれからもこだわっていきたいです。